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だご汁の作り方
熊本の各家庭で、必ずと言って良いほど有名な料理がありますが、その中の「だご汁」についてのレシピを紹介します。
***** 我が家の「だご汁」は植木町から *****
1945年、私の祖母達は、空襲を逃れ熊本市から植木町へ疎開してきました。
当時は、満足に食い物も無く、配給品に頼っている空腹時代ですが、
疎開先の隣がその家主で、水車小屋を営んでおり、どう言う訳か小麦粉や米が豊富にありました。
終戦になり、明日は米軍(進駐軍)が、この村に来るので皆殺しになると言う噂がながれ、
隣の家主が、「もう最後だから大事にしていた鶏をつぶし、皆で「だご汁」をして贅沢に食おう」ということになり、
祖母がその料理を頼まれ、近所の数十人分を大きな鍋で作ったそうです。
「最後の晩餐」いや、「最後のだご汁」は、明日は命が無いというので、精一杯、腹一杯、食ったようですが、
明くる日、幼かった母等は、米兵達からチョコレートを貰って、何のことはなかったみたいです。
その頃、小学生だった母は、チョコレートも美味しかったが、その「最後のだご汁」の味が忘れられなく
祖母から、そのレシピを伝授してもらい、得意料理のひとつとなり、私の大好物となってしまいました。
でも、母は年のせいか腕の力も弱ってきており、私が習って作るようになり、何となく「母の味」に近くなってきております。
だご汁(8人前)
材料
上の左から、
 小麦粉 1kg、
  酒 1合、
 里芋(小)25個位、
 ニラ 2束、
 昆布だしの素 2袋、
 鶏肉 100g、
 竹輪 3本、
 あげ 2枚、
 カマボコ 2本
 及び、生卵 2個
直径26cm深さ15cmの鍋に、
底から2/3(4L〜5L))のところ迄、
水を入れ火にかけます。
湯気が出はじめて
あげ、昆布だしの素、鶏肉を入れます。
ステンレス製の容器(底が丸いミキシングボールの底面に滑り止めが
貼ってあるものがよい)に小麦粉1kgを入れます。
但し、その中の一握りは、
「打ち粉」用として残しときます。
水を3合程入れ、練ります。
まだ、パサパサ状態でポロポロしています。
しばらく練って、水分が足りないと思ったら、
1/4合づつ足してゆきますが、
こしのあるダゴを作る為には、
力は要りますが、あまり足さないほうがよいでしょう。

(頑張れ〜!)
20〜30分位練ると、
写真のような餅みたいになってきます。
小麦粉と水だけで、つなぎに何も入れないのが特徴です。
先程、保管していた「うち粉」用の小麦粉を
少し、まな板にふります。
水分も練りも丁度よいものは、うち粉をしなくても
まな板にはつきませんので、その必要はありません。

手で押さえつけ、平らにしてゆきます
写真位、平らになったら、
「打ち粉」を両面につけます。
麺棒で伸ばします。
伸びてくると、まな板の面積では足らないので、
麺棒に巻きつけて左右へ伸ばすようにし、
麺棒を転がします
伸ばしたダゴ生地を写真のように折り、
菜切り包丁で5mm間隔に切ります。
包丁で切った麺が包丁に付かず、
自然に離れる位の練り具合が理想です。
麺をほぐします。
ダシ汁の煮込みから10分位、経って
竹輪、かまぼこ、里芋を入れ、
15分位 煮込みます。

麺を入れたときの、ふきこぼれ防止の為、
ここで、唐芋を3cm位に切って入れることもあります
里芋を箸で刺して、箸が入る位になったら、
麺を入れます。
酒を1合入れ、
醤油をお玉3杯程入れ、全体に行き渡るように混ぜ、
味をみます。
塩味が足りなければ、お玉半分位の割合で
醤油を足してゆきます。
麺が浮いてきたら、火を弱め、ふきこぼれないようにし、
あと5分程、茹でます。
火を止めて、直ぐ、卵を2個に水を0.5合加え、
よく混ぜて、上からかけます。
丁度、溶き玉汁の要領で、ゆっくり鍋内に行き渡るように
お玉で混ぜます。
あらかじめ刻んでおいたニラをかけて出来上がりです。
ニラが入ることで、食欲をそそります。
夏場は、庭に青胡椒があれば、割って入れたら、
その香りを引き立たせ、ピリッと辛く
より一層、美味しくなります。
では、いただきま〜す。